maya

白昼の通り魔のmayaのレビュー・感想・評価

白昼の通り魔(1966年製作の映画)
5.0
女女のノワールだあーっっ!!!好きーー!!!!
英助とシノが似たもん同士って言うのも、だから鏡か!と納得したし、ラストもリフレインしていて最高だった。
そもそも、白昼の通り魔は本当に英助だったのか怪しいのも(途中はさまる40代のドッペルゲンガーみたいな犯罪者の下りのせいで)、英助の本音をぼやかすのにいい仕事してるし、佐藤慶の演技、言葉の後に挟まるショットのせいで、英助の言葉と本音が全く違うことが察される。
最後の、先生の分までバクバク駅弁食らった挙句、それをゲボって息を吹き返すシノの図太さ、ほんと天下一、大島渚の生き残る女、大好きすぎる、、。
源治と先生、シノと英助の間にある、絶対に埋まることのない溝、結局インテリ/労働階級、人間としての生き方を問う余裕のある者/ない者の対比、分かり合えなさを示しているようで、ちょっと小気味よさもあり、もの悲しさもある。純愛のつもりが滑稽そのものに見える。源治も先生も、結局は自分の気持ちを押し付けて来てるだけだし、英助もシノに気持ちを押し付けてるだけなので、先生の言うように「男女の間には残酷さが必ず存在する」ということをなぞりつつ、それが同性間にも存在することを「私とシノちゃんも繋がってる」というセリフが表していて、つまりは人間間のやり取りの中に存在する残酷さの話なのかな、と理解した。
でもってシノは2回ともそのつながりを示す縄をぶっちぎって生き返ってるからな...
maya

maya