アイスまいにち

白昼の通り魔のアイスまいにちのレビュー・感想・評価

白昼の通り魔(1966年製作の映画)
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強盗・強姦を繰り返す通り魔が、なぜそうなるに至ったかと、
彼の第一、第二の犯行の被害者とも言える、旧知の仲の女ふたりの葛藤。

男の弱さ、女の弱さ。
将来が見えてしまうから、家が貧すぎるから。それぞれの理由から来る死にたさ。

犯罪加害者の背景をたどると、社会の闇が見えてくる とはよく言ったものだが、
明確な社会問題を見せるのではなく、
皆に尊敬されるでもなく定職ない男の居心地の悪さ、村社会に充満する噂話好き、変な監視体制みたいなところが根底に感じられ、
それはそれですごく生々しく感じた。

執拗なカット割、アップの多用は、多すぎと思わなくもないが、
二人の会話がメインのシーンでは、むしろ飽きずにテンポよく楽しめた気がする。

特に大阪の夜道のシーンは、大島がヌーヴェルヴァーグと呼ばれた所以もよく分かり、キマってるなぁと思った。