tacky

新・喜びも悲しみも幾歳月のtackyのレビュー・感想・評価

新・喜びも悲しみも幾歳月(1986年製作の映画)
4.0
植木等が素晴らしい。主役は完全にこのおじいちゃんである。
非常に厚かましいが、人なつっこく懐に飛び込む魅力的な人で、この穏やかな物語の軸になっている。
そして、元看護師の大原麗子の妻が、口うるさいのだけど、夫を愛し、義父を愛し、家族をまとめる暖かい人で、とても好演している。

監督自身の前作のような、過酷な「灯台守」の仕事の話よりも、
「新」では、北は北海道から南は九州への、日本全国四季折々の風情を織り込んこんだ、家族の絆の物語として描いている。

「誰かがやらなければならない仕事」。過酷であり、大変だろうと、毎日灯を灯し続ける。そして、家族の絆は離れても堅く結ばれる。

木下惠介お得意の、善人ばかりしか出てこない作品だが、観終わって、とても穏やかになれる、素晴らしい作品である。

小さい時に「オイら岬の〜、灯台守は〜」と耳慣れたメロディがふたたび。
植木等の顔がアップになる度、感動した。
tacky

tacky