木下惠介監督の「家族」と「平和」に対する想いが詰まった素晴らしい映画だった。
最後まで観てわかった。
木下惠介監督は、この映画で戦後日本の総括をしたかったんだね。
広島、長崎、そして海上保安大学校を卒業し洋行する長男を映す。
その鑑(ふね)を見送るやさしい表情の母親(大原麗子)のアップ。
「戦争へ行く鑑(ふね)じゃなくて良かった」
この言葉に『陸軍』の田中絹代の表情を思い出さずにはいられなかった。
広島の原爆ドームで黙祷1分間、雨が降っていたのが残念。しかし、この雨の日の撮影は故意だったのかしら。
多くの尊い命の犠牲のうえに今の平和な日本がある。
日本三景のひとつ“安芸の宮島“が観れて良かったね、お爺ちゃん。
2時間以上あるのに全然長く感じない!このテンポの良さ。科白、演出、編集の妙ここにあり!
星を数えて 波の音聴いて
共に過ごした 幾歳月の
よろこび悲しみ 目に浮かぶ
目に浮かぶ
それにしても、大原麗子って演技上手いなぁ!奥さん役があまりに自然で驚いた!
加藤剛と大原麗子の夫婦が素敵だった。