マーくんパパ

新・喜びも悲しみも幾歳月のマーくんパパのレビュー・感想・評価

新・喜びも悲しみも幾歳月(1986年製作の映画)
3.9
前作(1957年)から約30年後、全国の岬を転々とする灯台守の生活を描いた木下惠介監督第二弾。灯台守夫婦を佐田啓二・高峰秀子コンビから加藤剛・大原麗子に替わる。前作は戦中戦後の四半世紀に渡る夫婦の姿を捉え、今作は昭和48 年若狭湾内の灯台勤務から始まる四半世紀を描く。そこへ年老いた父(植木等)が息子夫婦や孫たちに会いに来て次の赴任地・伊豆石廊崎灯台まで付いて行く中で子供達の成長や結婚、父の死etc正に前作同様“喜びも悲しみも”細やかに描かれ、この家族史に胸が熱くなる。植木等の父親像が出色の出来、息子夫婦の計いで未だ観ぬ日本三景最後の場所、安芸の宮島を沖から船で観光させてもらって幸せ噛みしめる表情が絶品でした。長男も父と同じ海上保安庁に進み、人混みのなか海外出発する観閲式見送りする夫婦、どこに息子が乗っているのか見つけられない大原麗子が「あの子だけ帽子振ればいいのに」はよくわかる親心で微笑ましかった。