うにたべたい

ゴーゴー 仮面ライダーのうにたべたいのレビュー・感想・評価

ゴーゴー 仮面ライダー(1971年製作の映画)
3.6
劇場版仮面ライダーの一作目。
実は関東圏で視聴率が伸び悩んでいた仮面ライダーを宣伝する意図を含んで劇場公開された作品です。

オリジナルではなく本放送13話のブローアップ版です。
ブローアップ版というのはTVサイズで作られた画像を劇場用に引き伸ばしたものですね。
現代社会DVDで視聴している我々には違和感ないですが、劇場放映時は拡大し、劇場サイズにあわせるため上下を切られたものを上映してたため、今見ると鑑賞に耐えるものだったのか疑問です。
ただ、仲間たちとワイワイ言いながらスクリーンの仮面ライダーを応援していた当時と、部屋のワイドテレビで一人で見る良画質の仮面ライダーだと、前者のほうが面白く見えたのだったろうなと思います。

内容は本編13話と同じものです。
13話はこれまでに倒された怪人たちが再登場する回で、仮面ライダーが一度倒され、修行して再度敵に立ち向かう展開があることから、劇場版として選ばれたのだろうと思います。
ただ、有名な話で、仮面ライダー1号こと本郷猛の俳優・藤岡弘は、仮面ライダーの10話撮影中の事故で重症を負い、その後の撮影は、仮面ライダーの出番を増やし、前話の映像をつなぎ合わせて別の役者(納谷六朗)が声を充てるなどして急場をしのいでいました。
その後、討議の結果、2号ライダーが登場するのですが、13話はまさに場繋ぎの真っ最中だったため、この映画内でも、本郷猛の登場はほとんどありません。
今からこの劇場版を見る方は8,9割心得て観ているのではと思いますが、知らずに見ると違和感を感じると思います。

ショッカーは原子力研究所を狙うのですが、そこにはバーリアが張られているため近づけない、バーリアを破るため性格の悪いサッカー選手がさらわれ、ショッカーにより醜悪な改造を施されるも、ライダーがその計画を阻止するという展開です。
本放送の序盤に比較するとだいぶブラッシュアップされていますが、まだ怪奇的な雰囲気は健在なころですね。
明るく陽気な2号ライダー登場前の作品で、登場ライダーはいわゆる旧1号です。
ピンクの瞳に灰色のクラッシャーは、ヒーローといういうには華々しさを感じさせず、両目の涙ラインも何かを訴えるようなデザインです。
新1号もかっこいいですが、旧1号には渋さというか、哀愁を感じさせるものがあって、味があって良いですね。

本作のみでも楽しめるし、全100話近くある仮面ライダーをいちから見るのは大変なので、初代ライダーの雰囲気を味わうために本作から見るものありだと思います。
ただ、本作は本郷猛があまり活躍しないので、テレビ放映版を13話まで見る方が個人的にはおすすめです。