ミシンそば

ぼくの大切なともだちのミシンそばのレビュー・感想・評価

ぼくの大切なともだち(2006年製作の映画)
3.4
めっちゃいい話。
めっちゃいい話なんだけど、主人公のクズっぷりがあまりにもあんまり(方向性がほぼ同じ「マイ・フェア・レディ」の5倍くらい酷い)で、ずっとそれがノイズだった。
いい話であることは確かなのに、一人のキャラクターが評価にここまで足を引っ張るのは本当に自分の中では珍しいことだと思う。
思うに、主人公フランソワのクズな方向性が割りと自分に近い(自分もリアルな友人は一人もいない)から、共感性羞恥的なものが働いているのだろう。

彼の阿呆な賭けに巻き込まれるひたすら善人のブリュノは、フランソワのクズっぷりが顕れるたびにその善人振りが際立つ(ブリュノの過去も含めると、本当に……)。
ルコントの狙いは間違いなくそれだろう。
結末、壺を欲しがっていた富豪と、懐かしいクイズ番組(フランス版のクイズミリオネア)との繋げ方も見事だけど、本ッッ当にフランソワのキャラクターが……!
金で解決した感をどうしても感じてしまうんよ。