チネマ・リトロバート映画祭にて
映画祭で上映する中で、どれがみたいか選んでいいと言われ、タイトルで見たい気持ちになってしまった。フライヤーに載ってた場面写真も可愛かった。
あんなにたくさんキャラクターが出てくるのに、めちゃくちゃ舞台は狭い部屋で、みんなうるさいのに聞きたいセリフは聞こえるという、食べ応えもあって消化もいい映画だった。
獄中の日常と映画見たり洗濯しにいったりする非日常がちょうどよくて、街の中の街、という感じ。考えてみれば地獄だって一つの街なんだな。
獄中なのにみんなけっこうオシャレしてるのが印象的で、むしろ修道女がくれた獄中服みたいなのを着ていると笑われるという始末。集団でいるのに学校の教室みたいな気持ち悪さがなくて、本当にみんなうまく外の街で過ごせなかった人たちが集まっているんだなと思う。何も語られていない端っこの人物まで、勝手に地獄に来た理由を妄想してしまう。そこにいた理由が絶対にあると思ってしまう。
誰かにとって住みにくい街でも、誰かにとっては優しい街。助けてくれる人が明日も助けてくれるかはわからないけど、太ったおばさんはいつも歌っている。住めば都、ここはローマの地獄。