Xavier

ペーパー・ムーンのXavierのネタバレレビュー・内容・結末

ペーパー・ムーン(1973年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

ホントの親子だから、掛け合いが絶妙だよなぁ…
聖書を売り付けて、小銭を稼ぐ詐欺師のモーゼは、亡くなった知り合いの娘アディと出会う。
半ば強引に頼まれ、親戚の家までアディを送り届ける事になったモーゼ。
最初は嫌々ながらだったが、詐欺の相棒としてアディと旅するうちに、モーゼに父親めいた感情が芽生えていく…
ザックリ言うとストーリーはこんな感じ
作品としては50年前。
作品の時代設定では、90年も前の作品なのに、古さを感じないんだよね。
多分、普遍的な親子関係がストーリーの核になってるからなんだろうね。
とにかく、モーゼとアディの掛け合いが面白い。
実際、テイタムとライアンは、ホントの親子。親子ならではの絶妙な間がいいんだよね。

最初は見知らぬ者同士、ぎこちない2人
しかし、母親の死の原因となった飲酒運転をしていた男の兄から、モーゼが金を巻き上げた事から2人の関係は変わっていく。
余計な面倒は、ごめんだとばかりに、アディに金を渡し、叔母のところまで列車で行かせようとするモーゼに対し、アディはレストランにいる多くの客に、誰でも聞こえるかのような大きな声で、
"巻き上げた200ドルは私のお金だから、
返して!"と言う。
なんとか宥めようとするモーゼだが、頑として聞かないアディに根負けし、詐欺をしたお金でアディに返す事になり、2人の珍道中(?)が始まる…

それにしてもアディは、頭がキレる。
モーゼの聖書を売り付ける詐欺の時でも
その家の状態(貧しいor裕福)を瞬時に判断し、時に大金をふっかけたり、時にはお金を取らない事もある。
瞬間的なのに、ホント洞察力が凄い!
そんなアディに対し、一緒に道中を過ごす事に嫌々だったモーゼも、いつしか彼女を頼りにして行くように…

作品のみどころはなんと行っても2人の関係。普通なら、親子の話の作品って、色々ありながらも、感動的な話になるんだろう。現に、叔母さんの家に送り届け
アディとモーゼは別れるんだけど、モーゼの車のミラー越しにアディが大きな荷物を抱えながら走って来るシーンは、ホロッと涙が溢れたしね。
でもこの作品、最後はドライなんだよね

なんせアディの最後のセリフが
"まだ200ドル貸しよ"
なんだから。これは笑えたなぁ…

ホントに面白い作品でした。
Xavier

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