Tai

ペーパー・ムーンのTaiのレビュー・感想・評価

ペーパー・ムーン(1973年製作の映画)
4.0
例えその月が紙であっても、2人でいれば…

午前十時の映画祭にて。

冒頭の唄が非常に印象的でしたね。
唯一の家族である母親を亡くした少女と、その少女を彼女の遠い親戚の家まで送り届けることになった詐欺師の男によるロードムービー。

詐欺師とはいっても億を稼ぐ頭の切れる天才詐欺師などではなく、登場シーンでわかるいい加減な日銭を稼ぐ程度の小者。
少女も可愛らしいとか可憐なんて言葉とは正反対な仏頂面の捻くれた子供らしからぬ風貌。
この2人のやり取りだけでも非常に面白かったのですが、一体どこにたどり着くのかを想像しながら観ると、なおワクワクしました。

最年少のアカデミー賞助演女優賞受賞ということですが、色々と問題がありそうなそうなほどの演じっぷり(笑
と思ったらジャケットでも手にタバコ持ってますね。
少女とは思えない吸いっぷりです。
全体的に演技なのか素なのかわからない感じが、まさに演技力が高い証拠。
子役とカテゴライズしていいのかわからないレベルでした。

こだわりで作られたという全編セピア色もいい感じです。
ラストカットまで非常に面白く観ることができました。
Tai

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