真っ黒こげ太郎

マシンガン・パニッシャーの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

マシンガン・パニッシャー(2007年製作の映画)
2.1
うん、まぁアクションは頑張ったと思うんだ。

しかし、奇を衒い過ぎるのも考え物。

とりあえず、ナレーション役の人は黙れ。w




確実に獲物を仕留めてきた組織イチの殺し屋、ライアン。
彼は組織を抜けて恋人と幸せな生活を送ろうとしていたが、組織にとっ捕まり恋人が目の前で殺害される!
ライアンも殺されかけるが、辛うじて一命を取り留める。
怒りに燃えるライアンは妻殺しに関わった10人の男を見つけ葬るために、再び銃を手に取るのだった。




妻を殺された殺し屋が復讐の為に大暴れするバイオレンス・アクション。
監督は「アウトレイジャス 最も危険な男」のロス・ボヤスクさん。

フィルマを眺めてたら「アウトレイジャス」の続編(?)と思われる作品の情報が載っててビックリ。
んで、近所のレンタルショップにあった同監督の本作が目に留まったので、深夜12時半という完全に気の狂った時間に再生!!!
何でこんな時間に見るのかと言うと、余りに評判が悪くて期待できないからだ!!!!w
(しかも配給がトランスフォーマーなので、予告編で「メタルマン」の予告が流れた!w)



今作はインディーズ規模らしくかなり低予算だが、アクションは中々頑張っている。
格闘戦はそこそこに絵になってるし、敵も主演も動ける人揃い。
あちこちでカメラワークで誤魔化してる感のある個所もあったが、ちゃんと見栄えよく撮られてるのは好感触。
ラストのカチコミシーンも銃撃!格闘!爆破!と中々派手目で、低予算アクションとしては中々善戦してたと思う。
派手な火薬の爆発や、ブルータルな演出も盛り込んでいるのも良し。



だがその反面、それ以外の部分は酷い!!!
正直、こんなB~Z級のドンパチ映画によく出来たお話なんぞ求めちゃおらんのだが、それにしても今作の話運びは酷い!!


特に一番酷いのが、余りにも多すぎるナレーション!!!!

初っ端からナレーションが入りまるで続編の様な始まり方に面食らうが、これはまだ序の口。
今作では頻繁にナレーションが説明を入れてくるのだが、このナレーションが邪魔で邪魔でしょうがない。
主人公も寡黙ながらちゃんとバックストーリーがあるのだが、それも一々ナレーションが説明して、煩い事この上ない。
このナレーションが余りにもしつこく挿入されるので「おめぇ出てくるな!!!」「いい加減黙れ!!!」とムカついてきた。
そして最初から最後までナレーションで済ませてしまい、もうしばらく映画の中のナレーションを聞きたくなくなってしまった。w


お話は単純な復讐モノ。
なのだが、やたら回想も多いし標的の視点が切り替わりまくるのであちこちに話が飛んでしまうので集中できないのはマイナス。
主人公の復讐実行までもナレーションの所為でテンポが遅いし、標的を殺した明確な描写のない場面もあるのでどーもパッとしない。
悪党側の描写も長ったらしくて、gdgd極まりない。

お陰で派手派手なはずのクライマックスもイマイチ入り込め無かった。
「コマンドー」ライクに装備を整える所とか「ランボー」ライクにマシンガン乱射する場面とか良かったんだけどなぁ…。



そんな訳でアクションは良かった分、話のアレっぷりが酷すぎて勿体なく思える。
せめてナレーションをバッサリカットすれば、かなりマシな感じなりそうなんだけどなぁ。

幸い、アクションは中々だったし、要所要所でベタさ加減は悪くなかった。
クライマックスでようやく喋るという主人公の寡黙なキャラも中々良かったと思う。(ナレーションで台無しだが)
あ、後エンディングテーマはノリノリで良かった。w
レビュー書きながらながら見したら割と暇を潰せたが、やはり内容のアレっぷりは如何ともしがたいので、オススメは出来なさそうだ。


これを見ると後の同監督の「アウトレイジャス」が如何に余分な枝葉を切り落としストレートかつシンプル・イズ・ベストに調べているのが分かった。
あっちも低予算だけど至極真っ当な復讐&格闘アクションとして見れたし、あちらはナレーションもないしな!
(まぁあっちはあっちで最後に大ポカをやらかすのだが。)

因みに海外ではその「アウトレイジャス 最も危険な男」の続編と思しき「I Am Vengeance: Retaliation」が制作されたみたい。
(因みに監督と主演は続投している。)
今のところ国内上陸のお知らせはないが、果たしてロス・ボヤスクさんが奇を衒わずに成長できたのか、それともまたしても気を衒って失敗してしまったのか。何か気になるので是非ともリリースしてもらいたい。
(サイト限定配信スルーとか止めろよ!)


俺個人としては、この監督は奇を衒わなければ十分化けるのではと密かに思っている。
(まぁそれが出来てないからダメなんだが)

格闘アクション映画監督としての伸びしろはある、伸びるか墜ちるかは今後次第だ。
(何カッコつけて〆てるんだw)



【追記】
「I Am Vengeance: Retaliation」、無事国内ソフト販売されるみたいで良かったです。
配給会社が変わった事で、物凄い斜め上の邦題になったけどな!!!w