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フィラデルフィアのyunのネタバレレビュー・内容・結末

フィラデルフィア(1993年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

偏見も、それに対する戦いも、いつの時代にも起こるものなのかもしれない。だいぶ前の映画ではあるが、今もAIDSに対する偏見や不当な扱いは残っているのではないだろうか。だからこそ、色褪せず、今なお胸を打つ内容。

弁護士として、どんなに仕事ぶりも人柄も素晴らしくても、偏見が生まれてしまえば、もはや当たり前のように全て奪われて、いないものとして扱われる。そんな世の中でいいわけはない。誰しもが偏見を受ける側になるかもしれない。偏見は、知らない恐怖や向き合う勇気のなさから生まれることが多いのではないだろうか。

トムハンクスの迫真の演技が凄まじい。マリアカラスを聴きながら、死に近づきながらも生を感じているシーンが特に印象深い。デンゼルワシントンの公私共に順調で華やかなTV弁護士でありながら、自らの偏見と向き合い考え方が変化していく様子が見られる弁護士も良かった。トムハンクスの理解ある家族には涙。
多分、フィラデルフィアという土地柄を良く知っていたり、この地を愛している人には、より刺さったり刺さらなかったりする部分があるのだろう。始まりと終わりは、主人公たち、というよりフィラデルフィアへの哀愁と賛辞のようなものを感じた。
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