三鷹

フィラデルフィアの三鷹のネタバレレビュー・内容・結末

フィラデルフィア(1993年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

出た。Tハンクス!w(すみません苦手ですw) 「これは面白いから見てみ」と勧められても「Tハンクスの映画はなぁ…」と渋っている私にゲイの役だと言われ、それならハードル低いな!てなわけで見ました(安直)。Tハンクスが最後まで全然ゲイに見えないのはさておいて、やっぱり上手いですこの人演技が。苦手だけど。一見、大味そうな演技をしそうに見えるのだけれど、かなり「情」を表現してくる。上手く言えないがそうなんです。
話は上級弁護士を目指すアンディがエイズを発症するところから物語は始まる。80年代、同性愛者間で顕著だったエイズによる高い死亡率が社会問題として表面化し、同性愛者への差別もまた顕著となっていった時期だ。
アンディもまたそれを理由に法律事務所を突然解雇されてしまう。前途有望な若いアンディにとって自分の将来の何もかも、命さえも失うかもしれないという現実。エイズという病魔に侵されていく過程を鬼気迫る演技で見せたTハンクスはこれで見事アカデミー主演男優賞を受賞。助演をつとめるDワシントンをはるかに圧倒したと言っても過言ではなかった。
自らのプライドと人間としての尊厳をかけアンディは不当解雇をした法律事務所を訴え、裁判を起こす。
被告側の弁護人のMスティーンバージェンは私の大好きなMマクダウェルと結婚していた女優だが、彼女の役どころがなかなかいい。淡々と、弁護しながら事実を突きつけてくる頭の切れる女性を演じている。
現在はこの当時とは違い、全体的にはエイズに対する理解も同性愛者に対する偏見も大分良い方向に向かってはいるだろうが、30年経った今でもまだどこかで同じような事が起きているような気がする。
ラストに恋人に「これで逝ける」と言ったアンディの切なさが心に響く。
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