紫のみなと

ギルバート・グレイプの紫のみなとのレビュー・感想・評価

ギルバート・グレイプ(1993年製作の映画)
4.0
私の世代で映画好きなら本作を観たことがない人はいないんじゃないかと思われますが、
当時ジョニー・ディップもディカプリオもジュリエット・ルイスも好きじゃなかった私は長年スルーしていました。

今更ながら鑑賞し、結果、終始、ジョニー・ディップが素晴らしかったです。
初めから終わりまでジョニー・ディップでした。
翌日にも余韻の残る作品でした。

家族愛とか兄妹愛が出来すぎていたり、ラストがご都合主義的な感じもありますが、どんな国でもどんな時代でも普遍的なテーマのひとつである、或る家族のあり方について、悲劇的にも過剰にもなり過ぎず、作り手の愛に溢れた作品になっていると思いました。

ジュリエット・ルイスはなんだかよく分からないけど、ちょっと避けたい女優さんだったんですが、久しぶりに見ても演技はやっぱりイイという…。普通じゃないオーラがある。
この役柄、「旅立ちの時」のマーサ・プリンプトンの役割と同じですね。親の犠牲になった彼らを救うのはいつの時代も異性(恋した人)なんでしょうか。
女優なら演じてみたい役なんじゃないかと思いますけど、ジュリエット・ルイスを起用した監督は素晴らしいセンスだなと思います。監督、ラッセ・ハルストレム。すでに懐かしい!
思えば90年台はこんなふうな良作がたくさん作られていたような気がします。