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ギルバート・グレイプのnossaのネタバレレビュー・内容・結末

ギルバート・グレイプ(1993年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

米国の田舎町を舞台にした青春映画。
地方の人間であれば、ギルバートの苛立ちや焦燥、孤独、諦観が、よりリアルに胸に迫る。彼の抱えるモヤモヤは、かつての自分が感じていた感情そのものだった。その足枷は自ら嵌めたものなのに、だからこそ簡単には外せない。

ジョニー・デップもディカプリオも、まだ大スターになる前で、その瑞々しさが作品世界に見事にハマっている。特に知的障害のある弟役・ディカプリオの演技は神がかってます。また閉塞感を抱えているジョニデの心に風穴を開けるジュリエット・ルイスも良いです。(他の作品だと割とエキセントリックな役が多いので余計にそう感じるのかも。)

「(空の大きさを表すのに)大きいという言葉では足りない。」等、心に残るセリフもたくさんあって、ジワジワと感動が湧き上がってきます。

ハッピーエンド…とは言い切れないラストだけど、外へ踏み出していくギルバートにエールを送りたくなる。それは現状に踏みとどまっている自分へのエールにもなるような気がして。
心の栄養になる一本です。
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