Melko

NEMO ニモのMelkoのレビュー・感想・評価

NEMO ニモ(1989年製作の映画)
3.7
「ハァ…なんて夢だ」

昨日見たパヤオ最新作のレビューを読んでると、この作品を引き合いに出されてる方がいて、そういえば長いこと📎したままだったわ、確かアマプラにあったような…むむっ、レンタル300円か…でもどこにも置いてないんだよな…あらすじからすると好物のファンタジーもの。AmazonではDVDが4000円ぐらいするぞ、、よし!レンタルで見て、良かったらDVD購入するか〜
ぐらいの気持ちで見たものの。

……あれっ?なんかあまり面白くない……およよ

日米合作、パヤオも製作に参加…してるそうなのだけど、クレジットには出てこなかった。…どゆこと?

そもそもアメリカの漫画が原作
キャラの動きや造作に、手塚治虫みを感じる
アメリカ行きを見据えて作られたらしい本作、なんていうか、根本的に子供向けファンタジー作品のテンポ感や作品作りにおいて大事にしてる部分が日米では違うような気がした。現に参加したアニメーター達の息は全然合わなかったらしく、それが作品自体にも波及してるのか、ビックリするぐらいテンポと間が悪い。
手塚治虫のアニメ作品特に「メトロポリス」で私が感じたような、キャラの不自然なほどヌルッとした滑らかな動きや、会話のテンポが半歩遅れてる感じ。それが逆にいい人もいれば、とか、子供はそれぐらいのテンポで良いのか…?とすれば、私がこの作品を見るには歳を重ねすぎたのと、間が感性に合わなかったのか。
そもそも原作がそうなら仕方ないけど、冒険が盛り上がってきたところで夢から醒める…の繰り返しなので、ダレる。
主人公ニモが生意気なくせにポンコツなので、全然活躍しないし見ててイライラする。。笑

昨日見た作品と同様、おっ、と思うビジュアルのシーンはいくつもありながら、お話が印象に残らない。ただしコチラはしっかり原作が下敷きとしてあるので、製作陣の息がぴったり合って目指す方向が同じだったなら、もっといい作品になってたかも…なんて思ってしまう。
子供の頃にこの作品を見れた人は幸せかも。
パジャマのまま、ベッドに乗って空を飛ぶとか、すごい幻想的で好きなのになー。
飛行シーンのダイナミックさはピーターパンみたいだった。飛んでる姿が水たまりに映る描写なんて、線画のセル画であの滑らかさはすごい。

日本語で鑑賞。既に鬼籍に入られてる声優も多い
さすがにプロが声をきちんと当ててるから、全体的にまとまった演技の中、一際目立ってたのは大塚周夫の演じたフリップ
この人の声はホントに独特で覚えやすい
こうゆう悪巧みが得意な子悪党が似合うなぁ

途中途中で歌が入るのに、何故か全部英語のままだったのは納得いかない。字幕も出ないんだもの。何歌ってるか分からないからもはやBGM

とりあえず、王笏のパワーを解放する呪文が長すぎんのよな。。ニモ全っ然言えない。。

これは逆に原作読みたくなるやつだな

●以下余談●
全くテイストの異なるパイロット版3作が興味深い▼ YouTubeにあがってた
https://youtu.be/51iTj6Jbgt8
8:15まで ①月岡貞夫版(1980年)
11:48まで ② 近藤喜文・友永和秀版 (1984年)
ラスト ③出崎統・杉野昭夫版(1987年)

②の疾走感と構図の大胆さ、ダイナミックさ
③の書き込みと色彩、立体感
は凄い。とにかく凄いものを作ろうとしてた気合いが感じられる(語彙)
でも……個人的にはめっちゃ昭和な感じの①がなんとも言えない雰囲気で好き。明らか「月世界旅行」意識したデカい顔の月が出てくる世界観に、サイケ70s音楽…良き◎
Melko

Melko