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蛇の道のharunomaのレビュー・感想・評価

蛇の道(1998年製作の映画)
3.5
キャンセルかどうかも知らないが、歌舞伎などどうでもいいが、また一人、増村組の候補がいなくなる。東出昌大。思えば、竹内結子も出演していた黒沢映画は、本当にあっけなく呪われる、軽い渇き。バカですか。
時にはめをはずすやんちゃな人くらいならかわいいが、箍が外れている下衆な振る舞いは救いようがない。過去の事実は赦されえない。
香川は、テレビやCMや歌舞伎では毛頭なく、この荒んだ活劇の風景の中の人物が原点なのだから猿回しの猿として、もう一度演じてみるのがよい。
銀座に飲み歩いて、相対的まとも版岸田(岸田自体はゴミ)顔みたいなトヨタに行っている場合ではない、増村保造です、黒のテストカー。

半沢直樹なのか、2013年(『リアル~完全なる首長竜の日~』『共食い』)、第2次安倍政権以降、いやむしろトニスコ、ハリス・サヴィデスの光の没後というべき。歌舞伎俳優が顔芸とオーバーアクトの声で、過剰な悪役を演じるようになるが、これはある一面サイレントの回帰の動きでもあるし、Neo歌舞伎というべきか、まぁあった。だが、これらに欠如しているのは増村保造であるし、逆にカート・ラッセルや阿部寛のような理性の低温さはなく、増村なしの技芸というか、飛び道具というか、見ていて面白いが、やはり何かが欠落している旧現代の様相があった。
香川は『グランド・ジョー』(2013,ニコラス・ケイジ、デヴィッド・ゴードン・グリーン)のような真にフォルムのあるフィルムに、回帰すべきなのだ、お茶の間が舞台ではない。
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