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蛇の道のISHIPのネタバレレビュー・内容・結末

蛇の道(1998年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

リメイクされると知り、U-NEXTで配信が始まっていると知り。
そもそもそんなに黒沢清監督作をあまり観ていないんだなあと改めて気づく。この作品にも黒沢清節、みたいなものは出ているのだろうか。というかほぼ同年に、CUREも公開されているなんて。凄まじいな。CUREもみます…。
さて、この映画なのだが、最初から復讐劇であることはわかるのだが、最後まで観ていくと、それは宮下のものではなく、新島のものだったことが分かる。物語が進んでいくにつれ、これってどういうことなんだろう?という箇所が僕には多く感じられ、新島という人間がサイコパスなヤバいやつってこと?みたいに思いながらみてた。けど、彼は彼なりに復讐に近づいていくために動いていたに過ぎないのよね。僕の理解力が低いのか、この話に乗り切る前に映画が終わってしまった、というのが僕の大まかな感想。
また、演出がかなり独特に感じた。特に、工場?倉庫?で娘の殺害に関与していると思われるグループを全員殺していく一連の流れ。何台もあるテレビが急について宮下の娘を映し、その後新島の娘も殺されていたことが示唆されるわけだけど…こことかどんな意図があったんだろう、僕が馬鹿すぎてよく分からなかった。宮下も、捕らえたヤツらに娘を観せる際、ブラウン管テレビをわざわざ運んできて、また娘が死んだ状況を読み上げるというのがあったけれど…テレビから映るもの、みたいなものが何かを表してるのかなあ。テレビを通じて映るものは真実?この映画の登場人物は嘘ばかり?そのくらいしか考えられなかった。
また、新島が塾?での講義を終え、1人自転車に乗り振り返る。そこには商店街の夜の道が映るのだが、そこからストーリーがドライブしていくように思えたけど、これはどういう演出だったのかな。また、冒頭に車で走っている道がうねうねとしていて、この道はもう一度劇中で辿ることとなる。これってどんな意味だったのかな。分からなかったなあ。
蛇の道、ってどんな意味なんだっけと調べてみた。蛇の道は蛇、は、同類のことは同類のことがよくわかる、みたいな意味なのだという。なんだかこの言葉の意味を知っただけでなんだかこの映画の解像度が上がる気がした。数学なのか物理なのか、分からなかったんだけれど、あの教室で行われていたことは僕には何も分からなかった。だけれど、あの教室の中の人物たち(やけに色んな世代が居た)には通じていたし、あの少女と新島は高いレベルでやり取りができていた。あの少女ってやっぱり新島の亡くした娘を思わせる存在なんだろうね。劇中で深くは語らなくても、宮下は販売にしか関わってなくても他の連中同様に復習の対象だし、むしろ被害者のようにあの連中とは違うんだとしていたことが新島には本当に許し難いことだったんだろうなあ。
演出に僕の理解の及ばないポイントは多くあったのだが、画的にかっこいいなと思うとこも多く(工場の倉庫でのシーンはかっこいいの多かったなあ)、また考えてみたらストーリーも面白いように感じられた。続編も観たいっす。
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