とぽとぽ

蛇の道のとぽとぽのレビュー・感想・評価

蛇の道(1998年製作の映画)
4.0
復讐は楽しんだら負け?復讐する側もまた復讐されるに値する

もうすぐ…もうすぐ…全然来ないもうすぐ?1巡目には分からぬ全容を導き出すのにこの堂々巡りが必要だった。伝言ゲームみたいになっていく中で真偽も分からないのに如何に容易く他人に悪意を向けられるか。
不気味な哀川翔の切れ味に、復讐に燃える香川照之のサイコパス味のある狂気っぷり、2人のテンションの落差が良かった不条理な復讐劇。敢えてドラマ性を抑えたようなあくまで淡々とした語り口トーンで、色々と考えさせられる様な小難しさも。カットを割らないで一気に撮る箇所も色々とよかった。よく解らないけど世界を転覆させられるらしい数式=復讐も同じ?作品全体通して繰り返すことで歯車が狂う様子とも、あるいは残酷なほどに繰り返される様子も、復讐する側もまた復讐されるに値する。"目には目を歯には歯を"な徹底した復讐とも取れるが、逆にその真犯人の不明瞭さや曖昧さに『メメント』味も感じたかも。ロケーションが印象に残る生活反応あり。そして、あのラスト…。

「世界がめちゃくちゃになるぞ。お前は神様じゃないんだから」
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