とり

大魔神のとりのレビュー・感想・評価

大魔神(1966年製作の映画)
4.0
子供の頃のトラウマ映画。
リアルタイムじゃないのになぜ記憶に刻まれてるのか。恐らく親の影響で見てたんだと思うけどマジモンで怖かった記憶しかないです。
悪いことしたら大魔神が来るよ!とか言われ恐怖を植え付けられたものです。今だと児童虐待か(笑)

今見てもやっぱり怖い。目だけ出した着ぐるみ効果。
ミニチュアでの特撮技術は目を見張るものがあります。爆発こそないものの、建物破壊とそれによる粉塵が舞いまくる映像美が素晴らしいです。圧倒的。
ブルーバックの合成映像と遠近法の視覚トリックを織り交ぜてあるので、魔神の巨大さがとても自然に見えます。
手だけ足だけのハリボテの使い方も効果的。雑なところが一つもなくて、ものすごく時間と労力をかけてるのが感じられます。

圧政に苦しむ農民というシンプルで大鉄板なストーリーながら、映画というより芝居がかった演技とチャンバラや立ち回りがしっかりしているので濃厚な見応えがあります。
フィルム映像自体も美しく甦っていて、半世紀以上前の作品とは思えないですね。

日本の神々は時には災厄ともなりうる存在であること、巫女役の女優さんの神聖で誇り高い存在感。
それら日本らしさが見事に描かれていて、単なる怪獣ものとは一線を画す仕上がりとなっています。
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