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ある大阪の女のHKのレビュー・感想・評価

ある大阪の女(1962年製作の映画)
4.0
団玲子は父親の金策に恋人を頼るが役に立たず。仕方なく社長の妾となる。やがてそれが社長夫人にバレ、バーの女給になることを余儀なくされるが、元カレに貢いだ挙げ句、殺人未遂を犯すに至る…というこの作品は溝口健二『浪華悲歌』(36)のリメイクだが、現代的にアレンジされたのとは別に変更された箇所がある。それは、ラスト。オリジナルでは、家族から責められた主人公が、だからどーした!と開き直って終わる(らしい。観てない)。本作では、ダメ親父から「もう一度みんなで頑張ろう」などと慰められるのを尻目にこう言い放つのだ。「今度はもっとうまいことやったるわ!」カッコいい、惚れ惚れする。というか、この団玲子に惚れない方がどうかしている。悪いのは彼女じゃない、いつだって社会の方だ。
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