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ドライビング Miss デイジーのLEOのレビュー・感想・評価

ドライビング Miss デイジー(1989年製作の映画)
4.5
1940年代から公民権法が施行された1970年代のアメリカ南部を舞台に、老齢のユダヤ系未亡人とアフリカ系運転手の交流を描いた作品。
ジェシカ・タンディが80歳という史上最高齢でアカデミー主演女優賞を獲得した作品として日本でも公開当時超評判になったが、なぜか今まで観る機会を逃してきたのだったけどやっと観れました。

タイトルから「グリーンブック」のように旅を通じての交流…と思ったけど、全然違ってましたねぇ。

タイトルも単に車で事故を起こしたことをきっかけに主に車内で交流を深めていくという話じゃなく「気難しいデイジーをホークがうまく乗りこなしてって親友になる」という意味も含まれてるんじゃないかなぁと。

ストーリーは単にハートフルなだけでなく、宗教、学歴、人種差別、産業界の闇などのテーマが背景に流れているものの、決して重苦しくはなくサラッと触れるか触れないかで淡々と時間を流していくのが秀逸。
なんか『ジョジョ・ラビット』も思い出した。

特に終盤で取り上げられるキング牧師の演説は素晴らしい。
「社会が激動している今、歴史に残る最大の悲劇は『善良な人々の沈黙と無関心な態度』です。 我々の世代が後世に恥ずべきは、“暗闇の子”の言動ではなく“光の子”が抱く恐怖と無関心さなのです」

未だに戦争をなくすことが出来ない人類は、こういう作品を常に心にしまっておくのがいいのだ。

ラストも「こうやって終わるかぁ~」って感じでいいね。
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