健一

ドライビング Miss デイジーの健一のレビュー・感想・評価

ドライビング Miss デイジー(1989年製作の映画)
5.0
あゝ なんて素敵な作品なんだ。 😢

アカデミー賞のシーズンがやってきました。😊


第62回アカデミー賞
最優秀作品賞
最優秀主演女優賞(ジェシカ・タンディ)
最優秀脚色賞
最優秀メイクアップ賞 受賞。

劇場公開時(試写会にて)鑑賞済。
今回 30年ぶりの再鑑賞。
当時(1990年)はまだこの作品の素晴らしさに全然気づいていなかったと思う。
歳を重ねて久々に鑑賞し やっと心の底から理解できた。
これが 映画鑑賞 の素晴らしさのひとつだと思う。

story
教職を退いた未亡人のデイジーは ある日運転しようと車を動かすが直後に事故を起こす。
会社経営者の息子ブーリーは母の身を案じ 専用の運転手を雇うことに・・・

モーガン・フリーマンとジェシカ・タンディ。
もうこのふたりを ずーっと見ていたい。😊
本作も「英国王のスピーチ」同様、決して大作ではなく ストーリーも至ってシンプル。
なのに驚くほど完成度の高い作品。
アカデミー作品賞受賞も納得の静かな感動を湧き上がらせてくれる私の大好きな作品。

冒頭。気難しいお婆ちゃんに少々腹が立つ。
黒人の使用人たちをアゴで使い いちいち文句を言う。
心無い捨てゼリフ。それでもって『私は人種差別はしてない』と言い放す。
この難しいお婆ちゃんに黒人運転手が心を開いてもらおうと悪戦苦闘する。
そして ふたりは少しずつ『友人』になっていく。

本編はふたりの30年間くらいを描いている。
クリスマスのパーティーの時に『年号』が出るくらいで本編には終始テロップで年号が出てこない。
季節の移り変わり、登場人物たちの増えていく白い髪、レンズが分厚くなる老眼鏡、老いを表現する繊細な動きだけで30年を表現している。
そこが なにより本作の素晴らしいところ。

デイジーの息子を演じアカデミー助演男優賞にノミネートされたダン・エイクロイドも同じく30年間の『老い』を見事に表現していてホント素晴らしい。

そして直接のテーマではないのだが、50年代のアメリカ南部に吹き荒れていた黒人への『差別』という厳しい現実も静かに訴えていて胸が痛くなる。
『黒人は給油所のトイレに入れない』
『まともな職がなく裕福な白人の使用人の仕事ばかり』
『いい歳して字が読めない黒人が大勢いる』
当たり前のように蔓延していた差別が日常を覆っていて現代の私達に冷たく訴えかけてくる・・・

『あなたは一番の親友よ。』
ふたりは静かに手を握り合う。
溢れる涙が止まらなかった。
30年以上経っても全く色褪せないまさに不朽の名作。
アカデミー作品賞受賞作の中でも特にお気に入りの一本です。


劇場公開時(試写会) 1990年4月。
有楽町よみうりホール
💺1100席
客入り ほぼ満席(試写会ですから。😅)

来週月曜日は待ちに待ったアカデミー賞授賞式。
1988年の「ラストエンペラー」が受賞した年から35年間毎年見ています。😊
今年で36年目!
土、日、月曜日は有給を取っちゃいました。😅
健一

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