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山の郵便配達のcookieのネタバレレビュー・内容・結末

山の郵便配達(1999年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

いい映画に巡り会えたな...としみじみ感じ入った、父と子の引き継ぎロードムービー。

仕事で家を空けることの多かった父と、父との関係にわだかまりを感じている一人息子。
山道や田畑を縫って徒歩で山里を巡る3日間の二人の心模様が丁寧に描かれている✨

昇進よりも、父には大事に大事に築いてきたものがあった。
素朴で慎ましく生きる山里の人々と父との関わりの中に、いたわり合いや慈しみといったかけがえのないものが垣間見えて、心が洗われるようだ💫

知らぬ間に成長している息子が眩しく見え、そこに若い頃の自分を重ねてみたり、息子のふとした言葉から妻の苦悩を知ることになったり...
控えめな表情にも、父・息子・母 それぞれの思いがジンと伝わってきてウルっとくる🥹

配役がとても良い。ドキュメンタリーを観ているよう✨
少年っぽさが残る顔立ちにキラキラした瞳が印象的な息子役は、これがデビュー作だそうだ。
最初は父にしか忠誠を示さなかった大事な相棒、次男坊🐕‍🦺
息子を見直したのは川のシーンあたりからか?
「郵便袋より軽いね。」

静かに後ろ姿を見送るラストに涙が溢れた💧

素朴な自然の美しさや人の温かさに郷愁や癒しを感じながら、心の洗濯ができる作品✨

【notes】
●父の呼び方
●原題「那山、那人、那狗」の意味は「あの山、あの人、あの犬」
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