爆裂BOX

怪獣大決戦 ヤンガリーの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

怪獣大決戦 ヤンガリー(2000年製作の映画)
3.6
考古学者のキャンベル教授と有名な古生物学者ヒューズ博士率いる発掘隊は2億年前の怪獣ヤンガリーの骨を発掘するが、それは遥か昔宇宙人が地球侵略の先兵として送った物だった。再び地球の近くに現れた宇宙人は侵略を再開すべく、ビームを送ってヤンガリーを復活させる…というストーリー。
韓国・アメリカ合作の怪獣映画です。キム・ギドク監督の「大怪獣ヨンガリ」のリメイクとのことですが、怪獣のデザインやストーリー等別物になってるみたいですね。監督はコメディアンで自ら特撮工房も設立し、後に「D-WARS ディー・ウォーズ」を撮るシム・ヒョンレ。
考古学者のキャンベル教授達が発掘した見た事もない恐竜の骨は、実は過去に宇宙人が侵略の為に送り込んだ生物兵器で、再び地球近辺に現れた宇宙人が宇宙船から放ったビームで怪獣ヤンガリーが復活し、暴れまわるという物語ですが、前半はヤンガリーの骨が発掘される発掘現場で作業員が死んだり、金儲けと名声の事しか頭にない独裁的なキャンベル教授の横暴ぶりと真実に近づいてアメリカ政府に監禁され、死んだと思われていたヒューズ教授とキャンベルの助手ホリーとのやり取りや地球近くに接近した宇宙船とそれに対応しようとする米軍パートが交互に描かれ中々ヤンガリーが復活せず展開も緩慢ですが(宇宙船が人工衛星破壊する見せ場もありますが)、ヤンガリー復活シーンでは大爆発が起きて車や人が吹っ飛ばされるシーンは迫力がありました。パペット使った宇宙人の動きも人形劇みたいでなんか楽しい。
ヤンガリーは鎧をまとった戦神のような姿で、CGは今見るとかなりショボいですが、口から火炎弾を吐いたり、尻尾でビルを破壊する所は日本の特撮映画の影響強く感じさせますね。宇宙人が反物質化して別の場所に出現させたりと厄介ですね。都市に現れて破壊を繰り広げる所は崩されるビルのミニチュアとCGの怪獣組み合わせてて迫力ありました。橋の上を走っている子供達を乗せたスクールバスが、前方で橋が途切れてるの見てスピード上げて飛び越して、ヤンガリーの放つ火炎弾からも逃げる所は運転手のドライビングテク凄すぎて感心しました。そりゃ子供達もテンション上がるわ。
戦闘ヘリとの戦いも楽しかったですが、その後の戦闘機との戦いは、誘導ミサイルがヤンガリーの放つ磁力で逸らされてビルにボカンボカンぶつかって爆発しても構わずミサイル放ちまくってエメリッヒ版「ゴジラ」の米軍ばりに街に被害与える所は笑っちゃって楽しかったです。
その後登場するT-フォース部隊はジェット噴射装置を背負って空を飛び回りながらヤンガリーに攻撃加えますが、持ってる武器が普通の銃火器なのであまりダメージ与えられず次々やられていく所もほぼ死にに来ただけのような感じで笑っちゃいました。空を飛びまわったり空中に浮かんでる姿はカッコ良かったですが。急遽志願して加わったオニールの最後の特攻はビックリしたけど、劇的な効果をもたらしたから一番の功労者かも。
宇宙人によるコントロールが解けてヤンガリーが味方になるのも昭和「ゴジラ」や「ガメラ」彷彿させますが、結構人殺しまくってたのに味方になった途端直ぐ応援始める群衆の変わり身の早さとすぐヤンガリーの周りに集まる度胸は凄い。
新たに送り込まれた怪獣サソリゲスとヤンガリーの怪獣バトルが始まる終盤の展開も怪獣映画お約束展開で楽しいですね。サソリゲスは見た目もっとサソリ感欲しかったですが、腕切断されても切断口から触手ウネウネ出して絡みつかせたり、首切断されても同じく触手出して向かってくるしぶとさは良かったです。決着はアッサリ目だったけど。
宇宙人が撤退する時に言った「ヤンガリーが自分の本当の力に気づく前に」という台詞や保護されるラストなど続編意識してたんでしょうね。
ヤンガリーが復活するまでの前半は退屈ですが、ヤンガリーが暴れまわる後半は盛りだくさんな内容で楽しめました。