黄推しバナナ

青い青い空の黄推しバナナのレビュー・感想・評価

青い青い空(2010年製作の映画)
3.5
シンクロニシティ

この世に「意味のある偶然の一致」は存在するのか…

私の知る限りでは、

ロビンフッド
監督 : ケヴィン・レイノルズ
1991年1月14日公開
ロビン・フッド
監督 : ジョン・アーヴィン
1991年5月17日公開

ディープ・インパクト
監督 : ミミ・レダー
1998年5月8日公開
アルマゲドン
監督 : マイケル・ベイ
1998年7月1日公開

ミッション・トゥ・マーズ
監督 : ブライアン・デ・パルマ
2000年3月10日公開
レッドプラネット
監督 : アントニー・ホフマン
2000年11月6日公開

リンカーン / 秘密の書
監督 : ティムール・ベクマンベトフ
2012年6月22日公開
リンカーン
監督 : スティーヴン・スピルバーグ
2012年11月16日公開

脳内ポイズンベリー
監督 : 佐藤祐市
2015年5月9日公開
インサイドヘッド
監督 : ピート・ドクター、ロニー・デル・カルメン
2015年6月19日公開

書道ガールズ!! わたしたちの甲子園
監督 : 猪股隆一
2010年5月15日公開
青い青い空
監督 : 太田隆文
2010年10月9日公開

の作品がある。
偶然の一致か…はたまた必然か…


監督 : 太田隆文による和歌山県田辺市をロケ地に淡く切ない青春を描いたご当地第二弾作品。

「青い青い空」
「書道ガールズ!! わたしたちの甲子園」
類似点数多く有る因縁の作品
・ご当地映画
・大空にタイトルバック
・書道に縁があるご当地
・ご当地の町並みがよく映り込む
・ご当地の海がよく映り込む
・ご当地の駅が映り込む
・町並み海をチャリで爆走
・書道部顧問が赴任してくる
・書道を楽しんで学ぼう精神
・主人公と大の親友構成
・勝ち気な大親友
・主人公と大親友大喧嘩
・型にはまった頭が硬いキャラがいる
・いじめで誰とも喋れなくなったキャラがいる
・いじめ問題
・負け組問題
・家族の書道部への反対問題
・理解の無い家族問題
・書道の大会に出場するため一致一丸となる書道部
・墨汁をかぶりメチャクチャになる演出
・勝ち負けが全てでは無い。やることに意義がある

何故こんなに双方の作品に類似点が有るのかは公開当時調べたが分からず終い…まさに神のみぞ知るだ。

「青い青い空」は元々のタイトル「書道♡ガールズ 青い青い空」だったが、「書道ガールズ!! わたしたちの甲子園」が先行公開されたためタイトル変更を余儀なくされた。
遺恨を残した両作品だが、私としてはどちらも核となるテーマの違いがあり、片方の作品にはあって片方の作品には無い。その部分を両作品を見る事によって相乗効果が生まれて一枚岩になった良い作品。

今作の感想だが、太田隆文監督の前作「海と夕陽と彼女の涙 ストロベリーフィールズ」から一転して撮り方が変わったと思う。

監督自身、前作の失敗から学んで今作に挑んでいるとしか思えない。
※失敗点に関しては「海と夕陽と彼女の涙 ストロベリーフィールズ」のレビューでケチョンケチョンに書いてます。

●ロケ地の和歌山県田辺市の風景が望めるカメラワーク。
●演者の顔のアップの多様が無くなり、演者から引きの画が多くなった。
●それによって背景が死んでしまう事も無くなった。
●また風景だけの画も取り入れご当地(ロケ地)が生きてくる。
●野外と屋内のシーンの対比バランスが良い。
●それぞれの主要のキャラも深掘され思い入れが出来るようになった。

だが前作同様、改善されていない点が残念でならない。

監督の思い入れが強すぎて台詞で直接訴えてくるため恩着せがましい(説教ぽく聞こえる)。

・夢ばっかりをかけてないで現実を見つめろ
・勝ち組、良い大学に入り有名会社に就職すること
・負け組、会社はいつ倒産するかわからない生活は大変…惨めな人生
・一流企業安泰論の母親
・母の教えを守って夢を捨て棒に振った一流大学卒の姉
・No Surrender(降参しない心)
・個性や真心を失った日本
・自分の意見(言葉)を失った若者
・GHQが及ぼした日本への弊害
・メイドインジャパンの優秀なロボット人間を育てた(ロボット教育)弊害

隠された意図や意味合いを読み取らすこと(行間を読む)に映画の意義があるのではと思うのだが…

だが1つだけその「恩着せがましい」演出がよかったシーンがある。

書道部のみんなの気持ちが空中分解したとき、いじめで心を閉ざしてしまって冒頭から一切喋らなかった「飯島三美子」が大雨の中びょ濡れで、
「私書道辞めたくない。」
「みんなで書道やりたい。」
「大会に出たい。」
「みんなやめないで。」
と大声で叫ぶシーンは心に響くものがあった。あの演出は良かった。

あのシーンはラスト大会より良かった。
そこを見るだけでも必見だと思う。

①鑑賞年齢30代
②心に余裕鑑賞なし
③思い出補正なし
④記憶明確
黄推しバナナ

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