Mikiyoshi1986

電光空手打ちのMikiyoshi1986のレビュー・感想・評価

電光空手打ち(1956年製作の映画)
3.3
2月16日は高倉健さんのお誕生日!
存命ならば今日で87歳に。

健さんの記念すべきデビュー作品『電光空手打ち/流星空手打ち』は今回初観賞でしたが、
初々しい健さんの演技を観てると「初めてドーランを顔に塗った時、化粧をしている自分が情けなくて涙が出た」というエピソードが思い出され、とても感慨深い気持ちにさせられます。

『電光~』は沖縄篇、『流星~』は東京篇という実質的な二部構成で併映されており、
"空手の真髄"を探究するべく、今まで世話になった古巣からライバル師範へと鞍替えする青年・忍勇作を健さんが好演!

真の空手とは攻めの武術ではない、空手に先手なし、空手の極意は一切は空であること、という般若心経に通ずる新師範の教えに則り、
頑なに空手仕合や果たし合いを拒んで逃げるハト派な姿勢。
やはりこの平和主義思想こそ琉球の心ですね。

一方それまで属していた古巣のタカ派っぷりが露呈してゆき、武道にあるまじき姑息で卑怯で外道な振る舞いが炸裂!

色恋の嫉妬、裏切りに怒る元仲間たち、琉球舞踊に隠された空手の型などを経て、忍は空手の真髄に到達することができるのか?!

なかなかどうして、真面目なストーリーなのにアホさが際立つ痛快さ!
そして唐突なラストを迎えるお話はそのまま第二部『流星空手打ち』へと引き継がれます。
Mikiyoshi1986

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