けーはち

パニッシャー:ウォー・ゾーンのけーはちのレビュー・感想・評価

3.2
マーベル・コミックのヒーロー「パニッシャー」の映画化。家族を悪党に殺され天涯孤独、警察にも協力者がいる自警団系ヒーロー、超能力はなく鍛えた肉体と精神力とで闘う……といった特徴が同時期映画の「ダークナイト」すなわちDCコミックのバットマンと同じだが、パニッシャーはバットマンほど大富豪でもないし、本作では顔も隠さず特徴的なガジェットやコスチュームもなく、現実的な銃火器の装備で敵を冷徹に始末する。いわば殺意が高い廉価版の「ダークナイト」という感じで、いかんせん地味。やや冷笑的かつコミカルに敵を殺しまくるアクションには力が入っているとは思うが、総じて地味の印象を拭えない。何せ当時マーベルのヒーロー映画と言えば「スパイダーマン」単発で、MCUも「アイアンマン」が出たばかり。ハードボイルド路線の本作も見通し不透明なので、予算規模、クオリティはこんな所だね、とお茶を濁した感じになるのはやむなしだろうか。反面、顔ズタボロの復讐鬼であるヴィランのジグソウはなかなかキャッチーだ。