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レイジング・ブルのYYamadaのレビュー・感想・評価

レイジング・ブル(1980年製作の映画)
3.5
【スポーツ映画のススメ】
レイジング・ブル (1980)
◆競技名:
🥊ボクシング
◆競技の舞台:
 ボクシング世界ミドル級
 
〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・1940年代のニューヨーク。後に「ブロンクスの猛牛」とも呼ばれるようになるボクサーのジェイクは、八百長試合を強いてくる組織との関係などに悩まされながらも栄光をつかみとる。
・しかし、妻のビッキーやセコンドを務める弟ジョーイに対し猜疑心や嫉妬心を募らせていき、信頼できる人間が離れていくことで凋落していく…。

〈見処〉
①監督スコセッシ、主演デ・ニーロ。
 名コンビの最高傑作
・『レイジング・ブル』は、実在のプロボクサー、ジェイク・ラモッタの自伝を元に1980年に製作された伝記映画。
・監督のマーティン・スコセッシ監督と主演のロバート・デ・ニーロのコラボレーションは『ミーン・ストリート』(1973)、『タクシードライバー』(1976)、『ニューヨーク・ニューヨーク』(1977)、『キング・オブ・コメディ』(1983)、『グッドフェローズ』(1990)、『ケープ・フィアー』(1991)、『カジノ』(1995)、『アイリッシュマン』(2019)に本作を加えた計9作品に及ぶが、1980年、デ・ニーロが製作を熱望し、無骨なまでに妥協のなく主人公の病理を突き詰めた本作は、公開当時に激しい賛否両論を受けたが、デ・ニーロはアカデミー主演男優賞を受賞。現在では「1980年代最高のアメリカ映画」と高く評価される作品である。

②デ・ニーロ・アプローチ
・名優ロバート・デ・ニーロによる、外見から生活に至るまでの徹底した役作りは、「デ・ニーロ・アプローチ」と称されるほど、強烈で独特なもの。
・「イタリア語マスターのためシチリアに移住(ゴッドファーザー PART II)」「タクシードライバーとして働く」「頭髪を抜き、顔だけ太らせる(アンタッチャブル)」「数か月の入院生活を経験(レナードの朝)…。
・極めつけは本作による「ボクサー体型まで搾り上げた後、27キロ太る」。増量のためにイタリアに赴き、あらゆるレストランを食べ歩いたそうだ。

③結び…本作の見処は?
◎: 全編モノクロ映像による演出。スモークが立ち込め、ほとばしる汗と血による鬼気迫る試合シーンは映画史に残る迫力。
○: デニーロ・アプローチの完成形、冒頭と終盤の彼の「太鼓腹」は必見。これも映画史に残る。
▲: I’m da boss「俺がボスだ」を繰り返すジェイク。歪んだストイックさを持つ、昔気質の彼の猜疑心には、全く共感出来ず、ストレスを感じてしまう。
▲: 本作のデニーロのリックスは、ザキヤマ風貌でカッコ良さに欠ける。
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