たしかに今見ると、登場人物たち全員狂犬でワンワン騒いでいて、韓国バイオレンスノワールの趣を感じる。
そんな韓国バイオレンス映画にも影響大な北野武が好きな数少ないボクシング映画の1つでもあり、『キッズ・リターン』の制作はまさに本作に導かれたとのこと。実は『キッズ・リターン』も『レイジング・ブル』同様に苦いアンチカタルシスのボクシング映画だ。
カラーではなくモノクロにしたのは大正解で、マイケル・チャップマンのバキッとした画は今も全く古びていない。それにしてもよくジェイク・ラモッタ本人がこんなクズ描写炸裂の映画の仕上がりを認めたなぁと(笑)
デ・ニーロが妻をグーパンチ👊した後に、家を出ていこうとする妻をパンツ一丁みたいな格好で“行かないでくれぇよぉ”と止めるデ・ニーロの佇まいがなんとも可愛らしかった。