ぢん

落下の王国のぢんのネタバレレビュー・内容・結末

落下の王国(2006年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

前作「ザ・セル」が性癖にぶっ刺さって抜けず困っている私が、観たい気持ちが積もるあまり3年以上観ずに寝かせた一本。

骨折で入院しているスタントマンの青年ロイが、同じく怪我をして入院している少女アレクサンドリアにある作り話を聞かせ始める。

残酷さが際立つストーリーを異常なほど鮮やかな【赤】が飾り、実に素晴らしいグロテスクを表現している。

劇中ではやたら「欠損」が表現されていたのが気になった
・前歯(乳歯)が無いアレクサンドリア
・片脚がない俳優
・すきっ歯の山賊
・入れ歯の老人
・半身不随のロイ

……歯が無い人多いな。
因みに、寝ている時に良く歯を失う夢を見る人は【今の自分を変えたい】という気持ちが夢に表れているのだという。
もちろんこれは飛躍した考察だ。
ふと思い出したので書いた。

前作同様、馬のシーンが印象的。
輪切りにされなくて良かった。
川には沈んでたけど。

衣装デザインが神すぎて言葉を失う。
担当しているのは石岡瑛子さんという日本人と知って驚いた。
この映画は衣装を見るだけでも価値がある。

17年ほど前の作品だが、とにかく多様な人種と文化が登場し、奴隷制度や亡命等にも自然に言及している部分が時代から考えるとかなり先進的だと思った。

子供は残酷だが、結果的に世界は彼らの純粋さに救われている。
ロイがお話を悪い方向に持って行こうとすると、すかさずアレクサンドリアが軌道修正するように。

私は配信が待てずDVDを購入したが、この作品は是非たくさんの人に高画質で観て欲しいので配信……欲を言えば映画館で上映して欲しい。
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