ツクヨミ

右側に気をつけろのツクヨミのレビュー・感想・評価

右側に気をつけろ(1987年製作の映画)
1.4
マジでストーリーを廃したような浮遊感と煮詰まるソニマージュ〜。
ジャン=リュック・ゴダール監督作品。80年代最後のほうでソニマージュも極まってきた感がある本作を見てみた。
まずオープニング、初っ端電話のけたたましい音とナレーション.セリフ.ダイアローグの複合暴力にぶっ飛ばされる。そしてゴダール演じる白痴の意味不明な行動演技に大爆笑、おじさんゴダールが全力でチャップリンやバスターキートンしてるみたいで面白すぎた。
まあ本編はゴダール演じる白痴の話.レリタミツコとかいうグループのレコーディング.謎おじさんの凶行の3つのシークエンスが乱雑に同時進行するという80年代ゴダールな進め方でやっていく。そこにマジで過剰なほどナレーション.セリフ.音楽が対峙され音と音のぶつかり合いが今作のポイントなんだろうか、ストーリーに関してはマジで意味不明なんでやはり音と映像の対峙というソニマージュ観点でしか見れないある意味究極のゴダールソニマージュ映画なんじゃなかろうか。
なので個人的に最近"勝手に逃げろ/人生"を見てソニマージュをわかった気がしたところに唐突に難問をぶっ込まれた感、またまた大きな壁でどうやって感じ取ればいいかわからないんだが、そんな難しさというか新しい見方を模索するのがゴダール映画の楽しみ。まだ今作との向き合い方はわからないが、どうせまた見たくなって評価が改めて変わりそうだなッと初見の感想を記しておく。
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