『気狂いピエロ』以降のゴダールは理解が追い付かない。いつからか勝手に決め込んで敬遠してた。
ふと本棚から出てきた本作、うっかり見たら思った以上に気に入ってしまい、正直戸惑っている。
何も考えなくていい、ぼんやりしていて、心地よくて、それなのに、あっという間に終わってしまって、すごく困る。
理解できない、そんな自分を責める時間さえないほど、緩やかで明るくあっという間に流れた時間。
こんな見方で良かったのか。躊躇いがちに開いた解説に書かれてたゴダールの言葉。
「僕の映画に理解すべきことなど何もない。耳を傾けさえすれば、そして受けいれさえすればいいんだ」
救われたようだが、捕らわれたように、家にあと幾つ未見のゴダールがあったかしらなんて考えていて、ほんと我ながら調子いい奴。