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嫌われ松子の一生のtAeKoのネタバレレビュー・内容・結末

嫌われ松子の一生(2006年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

嫌われ松子の一生

人なら持ってるであろう、認められたい、必要とされたいという気持ちを強くもつ松子が人生で何回転んでも立ち直り“何かのために”必死に何かにしがみつき、くらいつき生きていく様子をあらわしてるのかな。
※一言で表すと、、、
きっと人は、「何かのために、誰かのために」生きようとすることで、輝ける。

人に、とてもメッセージをたくさんのこしてくれる人生。

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大好きな父は、病弱なくみのことばかり可愛がる。それに嫉妬。わたしも見て。わたしも認めて。わたしのことにもっと興味を持って。
衝動的に後先考えず色々としてしまう。父に認められず、認められたいという気持ちが強いからか、よくみせようとして空回り。不器用。
暗い顔だった父を笑わせるため、変顔をするようになる。なんでもかんでも父のために。純粋。追い詰められると変顔をする癖。


松子はいつもうまくいかない。
どうして?どうして?どうして?
もう、なくすものは何もない。そして、別れた男に言われたお前の体はよかった、その言葉だけを胸に、覚悟して風俗にはいる。
そのときの松子は、覚悟すごかった。肝が据わってるし、変な情も捨てて、強いし賢い。女がどうしたら魅力的に見えるか、研究してる。


「殴られてもいい。ひとりぼっちよりはマシ。」
執着、覚悟。
人を綺麗にするのかも。周りがどんなふうに思っても、その人にとっての幸せがある。周りが決められらことじゃない。暴力を受けていようと、その人にとっての世界はそこが一番で、暴力という、周りから見たら悪なものさえも、そんなの、と我慢できるほど、その世界がその人にとって大切で大きいものだったりする。人がとやかく言えることじゃないのかも。
りゅうといるときの松子は、目が生きていて、強く、本当に魅力があった。
魅力は強い覚悟と信念からきてるのかな。



父にしても、妹にしても、そばにいてくれてる誰かより、いない人を思ってしまう。近くの人ほど大切にできていないのかも。父は毎日隣にいる松子より、妹ばかり。妹は周りでお世話してくれる人より松子ばかり。死ぬときも、おねえちゃん、おかえり、と。
でも松子は、そばにいてくれる人にまっすぐだったかも。常にその人だけをみていた。目の前にいるその人に、まっすぐに愛を注いでいた。


「自分のことを知ってほしい、理解してほしい。」父のことが、この思いを根付かせているのだと思う。松子の根底に流れてる思いだと感じた。

死ぬ前の松子は、とても醜くかった。松子のいろんな姿を演じる中谷美紀さんは、本当に魅力的。尊敬する女優さん。

✳︎最後、お父さんに普通の顔で、変な顔し無いでも微笑みかけてもらえた瞬間、すべて報われた気がした。

景色に、時代に、周りの風景に、音楽に、まつこに、コロコロかわって面白い。
コメディーもありつつ、ミュージカル調の雰囲気が、松子の一生をただくらいだけとか、どん底だとかでなくさせてくれた。
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