怡然じらく

嫌われ松子の一生の怡然じらくのネタバレレビュー・内容・結末

嫌われ松子の一生(2006年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

重い……
ポップなんだけど、重い……

松子には自身の価値を裏付ける確実な愛がない。
両親の愛は妹に注がれ、彼女に目に見える形として与えられることは無かった。
確かな愛を与えられていれば、たとえ「ひとり」になったとしても立っていられる。承認されなくても生きていける。だが与えられなかった松子は愛に飢え、その日しのぎの愛のために与えてばかり。
つきあった男たちも一様に松子から愛を搾取し、挙句の果てに自殺やら忘却やらで彼女の前から姿を消す。
彼女はただ愛を返して欲しいだけなのに、目の前からいなくなる。
ある意味、神様的に扱われていたのかもしれない。愛をもらえるだけもらって、自らの慰みのためにある存在。都合のいい存在。

救いの手を振り払って負の方向へ突き進むのも、やり直そうと決意した矢先にあっけなく死ぬのも、「人生」
怡然じらく

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