ププ

嫌われ松子の一生のププのネタバレレビュー・内容・結末

嫌われ松子の一生(2006年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

怖い映画だった。
人の悪意が積み重なっていくこと、人生におけるタイミングというものの意味の重さなど、この歳になってわかる怖さが込められているように思った。
私は紙一重で彼女のようにならないだけなんだろうと思う。

たか子は正直賢くない。そのそぶりからして何かしらの発達障害を持っていたように思う。
それでも、一生懸命に己の命を生きている様子は尊く思える。

人を愛して裏切られ、それでも真っ直ぐに人を愛していく姿は心底愚かだし、その結果彼女は社会的にも弱者になる。
学習能力のない能無しとも呼べるし、何度もその痛みに耐えることのできる強さがあるとも言える。たか子は殴られることを痛いと思っているし、裏切られることへの悲しみが薄れることはなかったからだ。

だから、彼女の周りにはたくさんの悪意が積み重なったのだと思う。痛みに強く耐えてくれる人に、人は強くあたって壊そうとする。一種の加虐精神がかき立てられるのだと思うし、へこたれない様子が腹立たしいのだろう。

たか子をどう見るのかは、本当に意見が分かれると思う。
私もまだ、たか子とは向き合えない。
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