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まぼろしの邪馬台国のkojikojiのレビュー・感想・評価

まぼろしの邪馬台国(2008年製作の映画)
3.6
 邪馬台国があった場所を生涯探し続けた宮崎康平と、妻・和子の物語。
 宮崎康平の「まぼろしの邪馬台国」も、当時は邪馬台国論争に一石を投じて、大ブームとなったが、今では、九州説を信じる人は数少なく、宮崎康平を振り返る人もいないだろう。化石のような物語だ。
 したがって、この映画は吉永小百合の映画ということで、わずかに振り返る人がいるだけだろう。私も長崎と吉永小百合との縁で観ようと思ったのだが、映画を観ながら物語の運命みたいな部分だけが妙に心に残った。

#1403 2023年 437本目
2008年 

監督:堤幸彦
脚本:大石静
製作総指揮:岡田裕介、君和田正夫
音楽:大島ミチル

 NHK福岡放送局のラジオ番組でMCを務めるラジオ声優和子(吉永小百合)は、島原鉄道(島鉄)社長かつ郷土史家である全盲の奇人・宮崎康平を番組に迎える。
これがきっかけで、番組の打ち切りで時間の空いた和子は、島鉄本社を訪ねることになる。
和子を康平に頼まれバスガイドの講師を務めることになる。
しかし放漫経営で康平は島鉄社長を罷免されてしまう。和子は福岡に帰ろうとするが、康平からプロポーズを受け思いとどまる。
康平と和子の邪馬台国探しの毎日が始まる。

 宮崎康平の尋常じゃない人となりを、竹中直人が見事に演じている。しかし、この映画を観て、和子夫人のようになりたいと思う人はいないだろう。その性格、振る舞いはわがままの極致。ここまで思うがままに生きていたら、最後は卑弥呼も見えるに違いない。😃
 こんな人物に共感する人はいないだろう。映画を見ていても、和子夫人が簡単にプロポーズを受け入れるとは思えない。
その和子を演じる吉永小百合のノースリーブの腕を竹中直人が最初の出会いで触れるシーンは「ぎゃー」😱と思わず声が出そうなった。ゾッーとした。なんて事するんだ!

 いろんなシーンで吉永小百合が今まで見たことのない表情、仕草をして見せる。それだけで「ヘ~ッ!」と感心する。🤭

 この映画は最後に二つ、とっておきのサービスが待っている。
なんと吉永小百合が卑弥呼で登場する。あの出立ちで。いゃ〜綺麗!
もう一つは「島原の子守唄」を歌って聴かせる。これが、ラストのラストだから、ほとんど青春歌謡ドラマを見ている気分になる。
結局、この監督は吉永小百合ファンで彼女に歌わせたくてしょうがなかったんじゃないか⁉️
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