映画男

タッカーの映画男のレビュー・感想・評価

タッカー(1988年製作の映画)
3.0
あのピカピカの車を揃えるのにどれほどの金をかけたのか、想像もつかないが、コッポラだからできる貪欲な映画だったと思う。金に糸目をつけないタッカーの野心的挑戦は「地獄の黙示録」に莫大な金を費やしたコッポラ自身の姿にも重なる。

そもそもこの映画に出てくる役者がどれもイマイチ魅力に欠けるし、はっきり言ってそこまで面白くなかったが、撮影監督は「ラストタンゴインパリ」「暗殺の森」「1900年」など傑作をいくつも手掛けたヴィットリオ・ストラーロであるから、やはり全てのショットが神々しくスクリーンに映えた。映画館で観るからこそ得られるフィルムの深い味わいを堪能できた。
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