継

新・殺しのテクニック/次はお前だ!の継のレビュー・感想・評価

3.5
トレンチコート姿が男臭いフランコ・ネロ。
若干くたびれた着こなしと “ L ”字型にカットしたモミアゲが時代を物語る, '70年イタリア製.

近作『ジョン・ウィック2』では、例の殺し屋ホテルのローマ本店・総支配人にキャスティングされてましたね(^^)。
“ジャンゴ” に代表されるマカロニ時代のキャリアへのリスペクトでしょうか、イタリア殺し屋界(?)の元締め的な立ち位置は、あのシリーズなりの配慮が感じられるモノでした。

本作では巻き込まれ型の主人公で、身の潔白を証明すべく連続殺人事件の真相を追うネロ。
元嫁役の美人シルヴィア・モンティとの付かず離れずな関係とか、ラストのキリリ( ・`д・´)とした表情はちょっと良かったけど、
酔い潰れてモンティにくだを巻いたり、若い女とキャッキャッ言いながらベッドの周りを追いかけっこしたり... 窮地の割りに切迫感は無く(笑)『パラベラム(ジョンウィック3)』で出番なかったのはコレのせいじゃないかと🤔\(--;)チガウョ


ジャーロ風味のサスペンスな今作と、1作目のノワール『殺しのテクニック』、更にスパイ物の『続・殺しのテクニック・人間標的』による『殺しの3部作』としてBOX化(firmarksパケ写↑。)されてますが、3作は配給が同じなだけで全く関連の無い別物です。
前にレビューした『非情の標的』は“裏切り”テーマのBOXに括(くく)られてましたが、 アレと同じシリーズでコッチは“殺し”で括ったモノ。(“追跡”で括ったBOXもあります)

↑ジャンゴとして棺桶引きずった同じくネロ主演『続・荒野の用心棒』が『荒野の用心棒』と関係ないのと似たオトナの理由で、違うのはコッチはいずれも売れてない事(失礼m(__)m)。
モリコーネによる本作サントラは、Amazon見るとプレミア付いて本作DVDの3倍近くする(笑)んだけど、エレピだかオルガンだかのノンシャランとしたテーマはストーリー同様に凡庸でwwm(__)mm(__)m 、

唯一印象的なのはヴィットリオ・ストラーロ(地獄の黙示録, ラストエンペラー, 暗殺の森…)による撮影。
カメラが引いても両端が収まらないほど幅広な石積み階段を画面一杯にまるで壁面のように映して、人物に合わせて階下へ下ると画面下からアクセントたる真っ赤なスポーツカーが鮮やかに現れたり、
裸で見つめ合う男女に画面奥から日射しを当てて、カーテンのレース模様とふたりのシルエットを逆光に浮かび上がらせて影絵のように撮ったり。
被写体を優しく撫でるようなカメラが艶(なまめ)かしい、「殺し」より寧ろ「撮影」のテクニック。
光の当たらぬ舞台袖へ「すっ」と消える車椅子、闇から「ぬぅ」っと現れる手、隠し部屋の暗がりに「ぼぅ」っと灯る光✨✨。

劇中の場面場面は良いんだけれどストーリー、オチに突き抜けたモノが無くて、、、
スコアは多分にストラーロに向けたモノです(^_^;)。
継