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ウィンター・ソングのBaadのレビュー・感想・評価

ウィンター・ソング(2005年製作の映画)
4.5
ミュージカル仕立てで金城武さんが出ている、と言うだけの予備知識で見たのですが、全盛期のハリウッド映画張りのジョウ・シュンの見事なお芝居を堪能しました。かわいらしさも、一見けなげそうな雰囲気もその頃を思わせる懐かしさでした。

特に悪女というわけでもないのに、生活や夢ために恋人を犠牲にしてのし上がってしまった女優を、どちらかというと優等生タイプの演技力のある可愛らしい女優が演じるのは1940年代ぐらいまでのハリウッド映画に良くあるパターンなのですが、今の時代このような映画を観られるなんて・・・

グル・ダットの「紙の花」とも似た感じがしますね。現在の中国の資本主義のレベルは1930年~40年代のアメリカ、1950年代末~60年代始めのインドの都市部並み、と言うことか・・・

その辺りの映画が好きな方は楽しめるだろうと思います。

にしても、トップクレジットが金城武さんなのにはびっくりしました。このストーリーラインなら、金城さん以外の二人のどちらかを主演にするのが定番なのでは?金城さんの出番を作るために無理してストーリーを拡げすぎたという感じ。ラストもこういう流れなら、あんなお利口な結末にせずに、はっきりと悲劇仕立てにした方が気が利いています。とはいえ、現代物でそう言うストーリーが無理なのはいたしかたないことで、最初からかなり無理のあるお話だったのかも。

さらに気になるところを挙げれば、天使役は別の出し方をした方が良かったような気がしたし、水中のシーンも今ひとつ効果的でなかったかも。

とまあ、あらを探せば色々出てきますが、思いがけず嗜好にピッタリと合いました♪〜

ジョウ・シュンが明かり取りの窓を蹴ったシーンは印象的で気に入りました。

あと、この映画のコレオ、ファラー・カーンさんみたいですね。
香港映画とボリウッドのつながりは昔から深かった?

(日本初公開時劇場上映)
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