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武士道残酷物語のarinのレビュー・感想・評価

武士道残酷物語(1963年製作の映画)
4.3
映画で考える日本人の自殺。

主人公は恋人の自殺をきっかけに、先祖の日誌に記述されていた様々なことを思い出す。それは、日本人がいかに自殺と隣接した生活を送っていたかを示す内容であった。映画はオムニバス形式でいろいろな時代を描く。

武士道とはかくも残酷だ。失敗を報いるために自殺し、主君への忠義を示すために自殺し、実らぬ恋のために自殺する。それから神風特攻隊。

残酷物語と銘打っているだけあって、扱っているのは切腹だけではなく、身分の高いものが自分より低いものに対し非道に振る舞うエピソードなんかも背筋がゾッとするようだが、やはりインパクトが強いのは切腹シーンだろう。

死ねばみんなチャラになる。そういったマインドを引き継いでいる限り、自ら命を断とうとする人は後をたたない。
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