たてぃ

カティンの森のたてぃのレビュー・感想・評価

カティンの森(2007年製作の映画)
4.3
この事件で父親を失ったワイダ監督の執念を感じました(80歳過ぎてこの作品を作るとは…)。
戦争が始まるとともにナチスの占領下になり、戦争が終わった後もポーランドはソ連の支配下となり「悲劇」は続いたのだと…

第二次世界大戦勃発後のポーランド。西からナチスドイツが攻めてきて「東へ逃げろ~」と市民が逃げて橋を渡ろうとすると、対岸から「ソ連が攻めてきたぞ~。西へ逃げろ」の市民と蜂合わせるというまさに絶望的な状態から物語が始まる…主人公はソ連軍の捕虜となったポーランド軍の兵士の妻で、彼の帰りをひたすら待つ日々の物語…ナチスがポーランドから撤退した後、今度はソ連が支配する重い空気感が分かります。

登場人物は「女性」がメインなので、女性の視点で戦争が描かれてます。主人公と娘と義母、軍大将の未亡人、兄を失った妹(ワルシャワ蜂起にも参加)などなど。真実を一切曲げようとしない女性、一方では生きるために現体制に従う女性…

ワイダ監督の作品に出会わなければ、第二次世界大戦時のポーランド(抵抗三部作)、そしてソ連支配下の共産主義国家のポーランド(ワレサ 連帯の男…etc)を知ることはなかったでしょう…


【追記】
アンジェイ・ワイダ監督の最新作が今年公開されるようです。90歳近いのに未だ現役…

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