このレビューはネタバレを含みます
90年代後半に、USAのニュー・リパブリック紙でスティーブン・レーン記者が多数の記事を捏造し執筆していたことが発覚したスキャンダルをドラマ化した映画。
純粋なドラマとして見たら、
まあこれがつまらないんですわ!
なんていうか起伏が無い。
特にほら、
盛り上がるためにはパワーをため込む部分が必要じゃないですか。
それがまあ、
わりとさらっと捏造がバレるし、
隠蔽も全くグダグダだしで、
リズムがいくら何でも悪すぎる。
ハッカー記事捏造がバレた顛末に絞りたかったのかもだけど、
作り方だよなぁ。
実際の事件の推移としては、
もともとこのスティーブン・グラス記者って、
それまでも度々記事の捏造が疑われていたらしくて、
でもそれを、
当時のマイケル・ケリー編集長が全面擁護して、
批判する人を責める手紙も出してたとか。
そういうのが積み重なって、
編集長も交代して、
ついに…!
って流れだから、
そこの所をもっと推したほうが面白かった気がするわ。
まあ尺の問題。
グラス記者や新旧編集長が実名だったりとかさ、
かなり事実に沿った部分が多いドラマ。
まあそれでもやっぱり、
あくまでも実話を基にしたドラマであって純粋な再現ドラマではないので、
描ける部分と描けない部分。
描く部分と描かない部分。
ケリー前編集長の罪も重いと思うんだけどねぇ。
そこは描かれていない。
メディアの内部統制。
それがこのテーマの本質だと思うんだけど、
そこにメスが入れられていないのは残念に思う。
終わり方も含めて、
グラス1人の問題に帰結しちゃってる。
それは、
違うんじゃないかなぁ。