広島カップ

ニュースの天才の広島カップのレビュー・感想・評価

ニュースの天才(2003年製作の映画)
3.8
自分は有能なジャーナリストであると思われたくて、受け狙いのデッチ上げ記事を連発した雑誌社の若き記者(ヘイデン・クリステンセン)の悲惨な末路。
こうした同情もできない安い男はそこら辺に放ったらかしにして置いていいと思いますが、私が本作でシンパシーを感じるのが彼の上司の編集長(ピーター・サースガード)。

当の記者をはじめ部下に絶大な信頼のあった先代の編集長の後を継いでその座に就いた彼は堅実に働くけれども部下達からは全く信頼が無い。四面楚歌の中で無理矢理社長から編集長を任せられる。
しかも安い男の処遇を巡って部下達から更に冷たい視線を受ける事になる。さぁ孤立無援の辛い辛い中間管理職の姿。
同じような立場の観客の皆様にとっては正に身につまされるような、思わず我が身を振り返ってしまうような展開。
どうか彼に寛大な結末を...と見守る事になる中間管理職世代の観客に対して作品の用意した結末は...

クビになった先代の編集長(ハンク・アザリア)はどこかで見た顔だなと思っていたら、『GODZILLA ゴジラ』(1998)でイグアナゴジラに間一髪踏み潰されそうになってヒクヒクしていたカメラマンでした。TV局から雑誌社の編集長に出世していたのですね。
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