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サルバドル/遥かなる日々のnagarebosiのレビュー・感想・評価

サルバドル/遥かなる日々(1986年製作の映画)
4.5
なんて力強い作品なんだ…!

中学三年の時「ハンバーガー・ヒル」を観に行ったら上映が終わっていたので、何となくこっちでいいやと軽い気持ちで同級生の友人と一緒に観たら劇場を出る時は全員、重たい気持ちになったのを思い出しました。
それほど本作は監督始め、スタッフ・キャストの訴えたい気持ちが全編に漲っています。
これでもかと言わんばかりの強いメッセージ性は、それでも押し付けがましくなく、右も左も関係無く実権を握れば独裁政治になる危うさと米国を冷静に批判する監督のジャーナリズム精神が貫かれているので、日本人の私でも監督の意思や考えに同調出来ました。
ジェームズ・ウッズがとにかく良い!とことんダメ人間だけど、心のどこかで正義と真実を探求するジャーナリストを熱演し当時ファンになりました。あの神経質そうな風貌、エキセントリックな演技に目がいってしまいますが、実は微細な表情の変化や仕草が表現されていて、さすが役者だなあ、と感心させられました。

オープニングのタイトルデザイン、メインテーマ曲の迫力、そこからの緊張感の連続と、きちんとエンタメとして作ってしまう監督の手腕は見事!