【じれったい夫婦の日常】
慎ましい庶民劇で成瀬巳喜男の真骨頂。上原謙と原節子の夫婦の共依存関係が、じれったくも愛しい日常を美しく彩る。
貧乏臭い戦後の風景なども一見に値する。(笑)
映画評論家…
このレビューはネタバレを含みます
51年東宝。林芙美子原作を成瀬巳喜男を初めて映像化したことで知られる。ずいぶん久しぶりに見たが、大阪が舞台になっていたことは忘れていた。原節子の顔を見ると腹が減る上原謙。この夫婦は倦怠期を迎えている…
>>続きを読む一日を家事に費やすだけで夫との関係は冷えていてここから居なくなりたいという雰囲気が終始張り詰めていている。原節子が狭い家で家事に奔走すると狭い家がもっと狭く感じて鬱屈しているような心情も重なり家に囚…
>>続きを読む初成瀬巳喜男良すぎて倒れそう
原節子のモノローグのトーンで泣いてしまう。ラストの語りも旧時代的だし、はたしてこの夫婦の未来が本当に明るいのかとか色々あるけど、話し方と寄り添い方で決壊してしまった
…
何という段差だらけの序盤。
まず、家の前の路地から通りへと上がるところの階段。地形的なインパクトもさることながら、人が引っかかって転んだり、出勤する夫に妻が荷物を手渡す場所しても使われる。
次に…
映画史に残る名言「感情をベタつかせて、人に無意識に迷惑をかける人間は大嫌いだなあ」だけでも、本作には観るべき価値がある(もちろん映画全体も素晴らしいが)。
大恋愛の末にそれぞれの故郷を飛び出し、大…
今見ると中々グロテスクな話だけど、
当時はこれに救われた人が多かったのかなぁと想像した。
リベラルな世の中って、単純な正解という概念がもはや欠如してしまっていて、「男はこうである」「女はこうである…