成瀬巳喜男の作品の中でも、『めし』は格段にいい。お嬢育ちの姪っ子が、倦怠気味な夫婦の間にやってきた瞬間からザワザワとした波風が立ち、かろうじて保っていた原節子のタガが外れていく。
この辺りの積み重ね…
一度観たが、フィルム上映という事で再鑑賞。
やはりフィルムプリントの上映ほどイイものは無い。スマホやBDでは感じられない、フィルムがかけられる映画館でしか感じられない質感、音。本当に幸せなひと時であ…
■成瀬巳喜男監督×林芙美子氏〜🎬■
原作は1951年に『朝日新聞』に連載された林芙美子氏の同名長編小説。
連載中に、同氏は急逝。
ラストは成瀬監督らによって付与された。
実は本作…
妻の「役割」を規定する台所。夫が台所に闖入するとき、それは姪の介抱や、帰りの遅い姪を出迎える淫靡な光景を導く。彼らの不貞関係が決定される二階の部屋は、そこで姪が向かいの家主と視線を交わした頃から不純…
>>続きを読むopの路地がもう格好いい。26:30のカメラ。1:08:00辺りの流れも見事。1:27:00辺りのあくびで笑う。あと原節子の視線が全体的に怖い。
ただ個人的に一番うまみを感じたのは1:28:30辺…
成瀬がすばらしいのはスクリーンに投影された人びとがいままさに真実の感情を生きているのだという感覚をもたらすからだ。同じ屋根の下に暮らす上原謙の女中に成り下がったかのような結婚生活に嫌気のさした原節子…
>>続きを読む戦後早々の、家電製品も何もなく、風呂は家になく炊事、洗濯掃除はすべて手仕事。男は外で金を稼ぎ女が家事に勤しんでいた時代。結婚して初めて顕わになる価値観の違いや生活の充実感をどこに得たらよいのかわから…
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