成瀬巳喜男監督
「無限な宇宙の廣さのなかに 人間の哀れな営々としたいとなみが 私はたまらなく好きだ」
林芙美子
はじめての成瀬さん。
素晴らしい。ワンダフル。でした。
夫婦とは。生きるとは。女と…
林芙美子の言葉。
「無限な宇宙の広さの中に、人間の哀れな営々としたいとなみがわたしはたまらなく好きなのだ。」
これは人間の繰り返す愛おしい営みの話。どこにでもある夫婦の話。
少しだけおばさんになった…
原節子さんの表情はもう純文学です。
「えぇ、まぁ‥」だけでこんなに叙情的。
幸福を感じるはずの存在が、日常の積み重ねに摩耗されて生活に当たり前にあるものとして形骸化されてしまうのって、きっといつの…
昨日見た『ナラタージュ』で成瀬巳喜男の名前が出てきたからそれ繋がりで見ました。泉(有村架純)が葉山先生(松本潤)への手紙を、びりびり破き走行中の車の窓から紙吹雪のごとく捨てるシーンは、この映画の最後…
>>続きを読む戦争から6年後の1951年公開。元祖・倦怠カップルものと呼んでしまって良いのではないか(知らんけど)。まだまだ封建的であろう50年代初頭に、飯ごしらえや洗濯等家事に1日を費やす単調な日々への疑問を直…
>>続きを読む小津安二郎と酷似しているようで微妙な違いがある。人間関係の生々しさや掴み所の難しさを少し離れたところから優しく見つめているのが成瀬のスタイルということだろうか。淡々としながらもダイナミックに事が運ん…
>>続きを読むこのレビューはネタバレを含みます
やはり女性にとっての幸せを問うた成瀬の映画は絶品である。夫婦の間における幸せと自分自身の幸せ。現代であれば同じものなのかもしれないが、当時の結婚の仕方、女性の生き辛さからすれば、もって異なるものだっ…
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