飯

めしの飯のレビュー・感想・評価

めし(1951年製作の映画)
4.2
小津の娘を結婚させちゃった笑

被写界深度の深い長屋の光景、狭く奥深く、穴のような家。静的な夫と動的な妻。家の外さえも「外部」の広さを失う。階段を上がったり降りたり(垂直運動)シーンがない一方、奥への凝視(水平運動)が強まる。

外界の刺激や内心の衝突に絶え間なく(本能的に)反応している女とまったく反応しない男。

画面を光と影の戯れの中で「男と女」という単純な二要素に還元する。という成瀬映画の「単純さ」と「豊かさ」。(蓮實重彦)

What happens after Nora leaves home?
堕落するか家に帰るか。
人間にとって最も苦しいのは、夢から目覚めたら道がなくなったと気づいた瞬間。(魯迅)
飯