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めしのcamusonのレビュー・感想・評価

めし(1951年製作の映画)
3.0
サラリーマンの夫のために「めし」をつくる主婦業に嫌気がさして、
実家に帰って、数日間、ごろごろして、頭が冷やされてきたところに、
夫が迎えに来て、元の鞘に収まるという、
まあ、言ってしまえば、たわいもない日常話です。

日本でテレビ放送が始まる1953年より前のことですから、
その後テレビでやるようなホームドラマの需要を
映画が担っていたんでしょうね。

原作ありのホームドラマという時点で、
監督の作家性が出にくいのだと思いますが、
質素なサラリーマン夫婦を上原謙と原節子という
必ずしも役に似つかわしくない映画スターに演じさせているところも、
配役が先にありきの印象を持ってしまい、
監督の作家性が今ひとつ見えて来ないところですね。

ただ、作家性が表に出てこない分、
時代の要求に忠実につくられているように感じられ、
時代の記録として、貴重なものになっているような気がします。
その反面、非常に古臭さばかりが目立って、
時代を超えた何かが感じられないってことでもあるんですけどね。
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